追悼 國松明日香展

妻が良かったという「追悼 國松明日香展」(本郷新記念札幌彫刻美術館)に行ってきた。

作品だけでなく、解説をずっと読んでいくと、國松明日香という、一人の造形作家の変遷を知ることができた。北海道を代表する偉大な画家の長男として生を受け、美術系の才能と音楽に対する志向との間で悩んだこともあるようだ。父親は画家だから、自分は違う道ということで彫刻を選んだようでもある。

展示室に入るとすぐの「第一章 生い立ち」にある、シルクスクリーンの「万有引力」という作品に引き込まれた。金属の造形よりこちらの方がいいかもしれないと一瞬思ったくらいだ。

しかし、「第二章 記憶の中の風景を求めて」に入ると、彫刻に変わる。解説には、版画で期待されており、彫刻への転身は驚かれたと記載されていた。しかし、作家が育った小樽の倉庫をイメージしたのかと思われる造形に、故郷に寄せる思いが伝わるような気がした。

「第三章 街なかの空間を活性化させる造形」では、作家は大きく変化し、依頼を受けて各地の公共スペースにモニュメントを制作する。写真で制作物が紹介されている。行ったことのある施設もあるのに、私は各地に國松さんの作品があることを知らなかった。今回知って、これらを見て回りたいと思った。

そして、「第四章 行き先を決めない旅」で、作家はさらに先に進む。より、柔軟な表現を求めて、あらかじめ決まった設計図の表現ではなく、臨機応変の表現ができる創作法へと変化していったという。今までの世界から解きはなたれて、あらたな広い世界で思う存分自分を表現することを始めたのだろう。その過程で、娘の学んだ札幌市立高専がその場を提供していたことを知り誇りに思った。

國松明日香という一人の造形作家が、どのように変化していったのかを感じることができてとてもうれしかった。「追悼 國松明日香展」に行ったことで、私はより強い國松明日香ファンになったような気がする。今後のために、売られていた図録を求めた。いろいろな機会を活かして國松さんの作品を見続けたい。


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