1日目
10時半過ぎに女満別空港に到着し、レンタカーを借りて美幌峠へ向かう。屈斜路湖を眺める峠には津別峠や藻琴山展望駐車公園もあるが、私は美幌峠からが一番だと思う。道の駅・ぐるっとパノラマ美幌峠に立ち寄り、屈斜路湖を眺める。

今回の旅の目的には食べることもある。弟子屈付近には、生産量の少ない、地元産の「摩周そば粉」を手打ちする摩周そばの店が4軒ある。そのうちの一つ「レストラン摩周」に寄る。日曜日のお昼でさすがに混んでいる。

私は「海老天そば」、「なめこおろし」と「とろろそば」の3点そばセット、妻はかしわせいろそばを注文する。香りも高く、こしも強く、おいしかった。
弟子屈を出て国道391号を走り、標茶から道道(北海道管理の道)14号に分かれて厚岸に向かう。道道に入ると、いつもながら道東の交通量は少ない。今回厚岸に来た目的は牡蠣だ。15時半くらいに到着したが、宿に入るにも、牡蠣を食べるにも早すぎる。
晴れているので海もきれいなアヤメが原へ行く。アヤメが原は2021年に指定された、新しい厚岸霧多布昆布森国定公園内にある。ちょうど厚岸港祭りが行われ、途中の道には、地域ごとに山車が繰り出していた。海はきれいだが、ヒオウギアヤメは残念ながら終わりかけだった。あっけしあやめまつりも先週であった。花の最盛期を当てるのは難しい。鹿がいたが、最近はどこにでもいるから写真を撮る気にもならない。



厚岸の牡蠣は水温の低い厚岸湖で育つことと、紫外線で殺菌した海水で48時間蓄養することで、細菌やウイルスを減菌している。薬品を使わずに安全性を確保し、毎週ノロウイルスや貝毒の検査もしているので、夏でも安心して生で食べることができる。事前に情報を見て、道の駅厚岸グルメパークのコンキリエに行くことにしていた。
16時半頃厚岸駅前のホテルにチェックインする。厚岸駅の跨線橋の奥にコンキリエが見える。登りがあるのでどうかと思ったが、妻が歩いてもいいというので歩いてコンキリエへ行く。レストラン・エスカルに入り白ワインを注文し、生牡蠣、アサリの酒蒸し、牡蠣フライ、蒸しガキ、牡蠣の釜飯を食べる。最高だった。来た甲斐があった。
2日目
道東は牧場が多い。遠くまで牧場を見渡せる開陽台が人気だが、私は多和平の方が好きだ。厚岸から多和平に向かった。あいにくの曇り空、風も強かったが、訪れる人も少なく大展望を独り占めだ。近くの森からはカッコウの声を久しぶりに聞いた。得をした気分である。


川湯は強酸性硫黄泉の泉質で知られている。私は硫黄泉が大好きだ。今回は、公衆浴場・湯吉に立ち寄る。川湯温泉で60年以上もの間、地域内外から愛された川湯公衆浴場は一度閉館したが、2024年9月に「川湯公衆浴場 湯吉」としてリニューアルオープンした。入浴料はなんと500円である。熱めと温めの湯に、子供用の浅い湯もある。すいている時間帯でのんびりつかることができた。一緒に入っていた人は、車で移動している道外からのお客であった。好きな人は探して来るようだ。
国道391号に出て、摩周そばの2軒目の店・「摩周そば道楽」へ行く。まだ13時過ぎなのに、私たちの前の客が、そばがなくなるかもしれないと言われている。後ろについて少し待っていると、私たちまで入れることになった。店内のお客はそばができあがるのを待っている人ばかりで、ずっと待った。
ここの蕎麦の原料は、すべて自分の畑で育てたそばの実とのことで、挽きたて・打ちたて・茹でたての「三たて」蕎麦が味わえるとの評判だ。道理で人気のわけだ。最初メニューを見ると、皮つきのまま挽いたそば粉を3割ほど混ぜた「いなかそば」が、手打ちでは珍しい十割そばだと書いてある。「いなかそば」と言うと、「いなかそば」は10食限定で終わりであった。それ以外はざるか大ざるなので、大ざるを注文すると、そばが残っていれば大ざるにしますとのことだった。
食べ終わったお客さんが帰って、店はだんだんすいてきた。そば通らしい人たちが、「手打ちの十割そばだからちぎれるというのは、下手なだけだ」などと話している。そうなのか、勉強になった。

最後の客の私たちにもそばが出てきて食べていると、仕事を終えた店主が出てきて、先代から引き継いだ経緯や、そばのことをいろいろと話してくれる。
前に別の人気店でそばを食べたときも最後の客になり、店主が出てきて話をした。これもまた、思い出に残る。ざるそばは腰があり香りも高い。そばつゆを店主は甘いつゆだというが、甘さを感じさせずうまかった。食べ終えて外に出ると、裏手で川からの水が水車を回している。素朴だが、素敵な店だ。


何度か来ているところだが、もう一度サクラマスの遡上を見たいと思い、さくらの滝へ向かう。人気が高まっているのか、以前より訪れる車が増えていた。昨年は遡上するサクラマスが少なくて心配したが、今年は多かった。駐車場から歩道を歩いてサクラマスのジャンプが見えるところまで来ると、皆一様に声を上げる。写真や動画を撮っているひとも多い。
たくさんのサクラマスが次々と滝を越えようとジャンプするが、遡上に成功するのは1割くらいで、越えると競争の少ない環境で産卵できるという。残りは滝の下の混み合ったところで産卵するらしい。ずっと見ていると、最初から全く成功の見込みもないジャンプが多いが、中にはもう一歩で登り切れず落ちてしまう鱒もいる。皆さん気持ちが入り、「頑張れ」と応援している。
今夜の宿のフリーズに15時半頃到着する。私たちのお気に入りの宿で、毎年のように通い、ここ数年は連泊である。オーナーに挨拶して鍵を受け取り、コテージのドアを開けると帰ってきたような気分になる。



早速露天風呂に入り、芝生に出て斜里岳を眺めながらビールを飲む。どうしてフリーズがいいのか、大自然の中にいることを実感できる、ゆったりとした時間の流れにひたることができる、コテージの中では周囲の人に気を遣う必要はなく自分の別荘であるかのようだ、私の好きな露天風呂、斜里岳を眺めながらのビール、ウッドデッキでの開放感あふれる食事、連泊しても心配りされたおいしい食事、オーナーご夫妻の品のいいお人柄とちょうど良い距離感でのおもてなし、というようなことだろうか。


18時からウッドデッキでの夕食。今日はバーベキューだ。用意してくれると、あとは自分たちのペースでゆっくりと食べ、終わったらデッキのライトを消して知らせる。肉だけでなく、魚介も野菜も豊富である。夕食後、室内の風呂に入る。テレビもないので、11時頃寝るが、6時半まで寝ていて、びっくりした。
3日目
よく寝た。6時半に起き、あわてて準備して7時から朝食。カボチャスープ、サクランボ付きでいつもと同じ健康的な朝食。


ゆったりとして9時頃出て国道244号を標津へ向かい、羅臼の道の駅へ行く。土産物屋を眺めてから、熊ノ湯へ行く。地元の漁師さんなどが管理していて、熱いお湯をぬるくしようとしても叱られるし、風呂桶の扱い方が地元の人のやり方から外れていても注意される。しかし、お湯はいい。今回はすいていて、お湯の温度もちょうど良く、短い時間だがゆっくりとつかる。妻はすいていたのに、お湯が熱すぎて、水を入れても追いつかず、入れなかったということで、残念だった。
知床峠へ行くが、雲が低く、国後島も、羅臼岳の山頂も見えない。気分だけ味わって、ウトロへ下る。うとろ・シリエトクで昼食代わりにコケモモヨーグルトとどら焼きを食べる。お土産にコケモモとハマナスのジャムなどを買う。コケモモは自然のものを取るようなので大変だと思う。
フリーズに戻るには早いので、斜里へ行き斜里駅の近くの道の駅を訪ねる。刺身の自動販売機があって驚く。一度行ってみたいと思っていた北のアルプ美術館へ行くが残念ながら閉館日であった。美術館の隣のお宅で素晴らしいヤマボウシが咲いていた。


まだ、時間があるので小清水の原生花園へ行く。花は終盤であったが、エゾスカシユリ、エゾキスゲ、ハマナスなどが咲いていて楽しませてくれた。花を見ていると、ちょうど列車が来て、原生花園に近づく列車を見ることができた。



16時半過ぎフリーズへ戻る。露天風呂に入る。今日はウッドデッキでしゃぶしゃぶである。ゆっくり楽しむ。

日が落ちると管理棟の灯りが素敵である。
4日目

昨日とは違うパンとミネストローネの朝食をゆっくりと楽しむ。荷物をまとめてチェックアウト。オーナー夫妻に見送られてフリーズを出る。広大な農地ではジャガイモの花が咲き、麦の穂が揺れている。
川湯温泉を通って屈斜路湖畔を走り、津別峠を越えて、奥屈斜路温泉森つべつへ行く。何度か泊まったこともあるが、今回は道東を離れる前に気に入っている温泉に入る。ちょうど10時半の営業開始にびったり到着した。温泉にゆっくりつかる。炭酸温泉で肌がスベスベになる。いいお湯だ。
女満別空港へ向かう。13時半前について、車を返却し、空港まで送ってもらって、14時35分の新千歳空港行きに搭乗した。
