オホーツクパレス
毎年のように紋別を訪ねる用があり、ホテル・オホーツクパレスに宿泊することが多かった。
しかし、今回の訪問で用はなくなり、宿泊も最後になるかもしれないと思う。
お盆の期間、満室の日々のなかに1日だけ空き室が見つかった。
夏の観光シーズンで混み合っているのかと思ったが、行ってみると陸上選手の合宿が3件入っていた。
朝食の会場も、若い選手たちで一杯であった。
城西大学の練習用具の中に「箱根駅伝の予選会まで53日」と書かれたボードがあった。
彼らにとっては、予選会を突破して正月の箱根駅伝に出場することがすべてに近いのだろう。
10年ほど前にやはり城西大学の選手とエレベーターの中で一緒になり、激励したことを思い出した。
あのときの若者は予選会を突破できたのだろうか。
昨春にはこのホテルで藤井聡太さんの名人戦が行われ、話題になっていた。
部屋から港の方を見下ろすと隙間だらけの街が見えた。
以前は、将棋の勝浦修九段の実家という勝浦旅館が見えたが、今はもう空き地だ。
昔の商店街も別の地区に移ってしまった。
知人はみな鬼籍に入り、この町に寂しさも感じる。
しかし、紋別の港とオホーツクの海は以前と変わらず、そこにある。



